クラスって何？Javaプログラミングの基礎知識、クラスについて解説

ピグマリオン伝説に例えると

現実の女性に失望していたピグマリオンは、自ら象牙を彫って理想の女性ガラテアを作りました。このガラテアが、やがて生命を吹き込まれてピグマリオンの妻になるというのが有名なピグマリオン伝説です。さて現代のピグマリオンがJavaプログラムでガラテアを作成するならば、まず、ピグマリオンが手掛けるクラスの名前は「ガラテア」です。Javaではクラス名とファイル名とは同一でなければならないというルールがありますので、ピグマリオンは「ガラテア.java」というファイル名にせざるを得ないのです。そしてピグマリオンはJavaのクラスの中に、女性という存在を形作る自らの理想とは何か、を余すところなく表記しなければなりません。つまりクラスとは設計図のようなもので、このクラスの集合体がプログラムなのです。クラスは{と}の間に記述することになっており、この{から}までの部分はブロックと呼ばれています。ピグマリオンであるならば、{と}の間に、ガラテアはこうあって欲しい、こうふるまって欲しい、というものを一つ又一つと記述していくことになるのです。そしてJavaを使っているピグマリオンは、この一つ一つをメソッドの形で記述するのです。

ガラテアに命を吹き込む

こうしてピグマリオンの記述したクラスを元に、ガラテアの彫像が徐々に姿を現します。手足や顔かたちがどうであったか、残念ながら知る術はありませんが、これにあたるのはオブジェクトと呼ばれます。クラスからオブジェクトを作成する時には、「new」を使って記述します。更にピグマリオンは、「服を着ていなければ恥ずかしい」とクラスに記述します。あるいは「食事をする」「話しかけると聞こえる」など、次々とクラスを記述します。そしてとうとうガラテアに生命が吹き込まれ、ついにはピグマリオンの妻になります。つまりオブジェクトが無事ピグマリオンの指示通りに動いたというわけです。

ガラテアと白雪姫を足し合わせると

さてせっかくのガラテアの容姿が目に浮かばないのは残念なので、ここで白雪姫のクラスから借用してみましょう。白雪姫は、その名の通り「髪は炭のように黒」く、「肌は雪のように白」く、「唇は血のように赤」くと、お妃様が望んだとおりに産まれます。従ってこの三つのクラスを元にガラテアのオブジェクトを作成すると、ガラテアは白雪姫のような容姿を獲得します。このようにJavaプログラムでは、自分で設計したクラスばかりではなく、既に誰かが作成したクラスを元にオブジェクトを作成して、そのオブジェクトに様々な処理を行うよう指示することができるのです。もっとも、あくまでピグマリオンが白雪姫の容姿を持つガラテアに、ぞっこん惚れ込んだ場合のお話です。